Q&A-9 (12/21受け取り分)
Q&A-8 (12/14受け取り分)
*レポート9
相互作用している二つのスピン(S
=1/2)の磁化と比熱などを求めよ。
2000年度の数理物理演習III(量子力学)
8 をやればよい。
(問題へのリンクを直しました。
前のリンクをプリントした人は、
J = -1,
-2, -3,
-4、すなわち、反強磁性的相互作用として下さい。)
ヒント─ 一番目のスピンの波動関数を|1=↓>、二番目を|2=↓>などとすると、
基底ベクトルは |1=↓>|2=↓>, |1=↑>|2=↓>, |1=↓>|2=↑>,
|1=↑>|2=↑>
の四つになります。
イジング相互作用の場合は、この基底そのままでハミルトニアンは対角化
されていますので簡単です。
ハイゼンベルグ相互作用の場合は、S1xとかS2yが出てきます(S1は1番目の
スピンだけに、S2は2番目のスピンだけに作用する)。
これらは、昇降演算子を含んでおり、上の状態を変えてしまいますので、
ハミルトニアンは対角化されていません。よって、基底の取り直し
(≡ハミルトニアンの対角化)が必要になります。
量子力学の教科書やノートを見返して下さい。
もちろん、分配関数を求めるトレースはどの基底でとっても同じという
事実を駆使して計算してもOKですが、この場合は、ハミルトニアンを含んだ
指数関数の展開が出てきますので計算は簡単にはならないと思います。
三次元空洞内の電磁波の定在波のエネルギー
を参考にして、それぞれの状態密度を計算してみよ。なお自由粒子については復習である。また、二次元、一次元の場合についても計算してみよ。
*レポート6
液体ヘリウムの超流動は、1930〜1940年代に、カマリング・オンネスと、
カピッツァらによって発見されました。これは、自由なボース粒子における
ボース・アインシュタイン凝縮に近いと言われており、臨界温度の表式は今回の
講義で示しました。
一方、今年度のノーベル物理学賞の対象となった、「レーザー冷却された
希ガス原子のボースアインシュタイン凝縮」では、原子は「箱の中」に閉じ込められて
いるのではなく、「調和ポテンシャル〜 kx2 」の中に居るとした方が良い近似であると
されています。⇔ 止まっている調和振動子の問題 (前期でやった筈です)とは全く異なる話になります。
問)三次元調和振動子の一粒子状態密度を求め、本日の講義でやった、
ゼロでないエネルギーを占める総粒子数を求める式に代入して見よ。
ヒント─結果はζ(3)=Σ1/n3を使って表される。
*レポート5 (易しい問題ですので自明と思った人はやらなくてもOKです)
フェルミ分布関数×状態密度を1次元、2次元、3次元の各場合について
グラフに表せ。但し、m (0)≡e F=1 としてよい。
横軸範囲=0〜2程度 (大体でよい)
縦軸=f (e )・D(e )
kBT =0.001, 0.003, 0.01, 0,03, 0.1, 0.3*二次元と一次元の化学ポテンシャルの温度変化はやっていないので、
二次元と一次元についてはm (T)の温度変化は無視してもよい。
(計算できる人はもちろん、トライして下さい)
* レポート4 (易しい問題ですので自明と思った人はやらなくてもOKです)
原子間隔が3Åの一価原子の金属におけるフェルミエネルギーを、
温度、eV、J、周波数、の単位で求めよ。
(ヒント 一価金属だから、自由電子が3×3×3Å3の立方体に
1個居ると考える)
二つの電子が、3Å離れて配置している際のクーロンエネルギーを
計算して、前項のフェルミエネルギーと比較せよ。余力のある人は、半径R(= 3Å)の球の球内に、電荷eが均一に分布している
場合の自己クーロンエネルギーを計算してみよう。訂正)この配置では同じ程度になってしまう。よって、講義でクーロンの方が
遥かに小さい、と断言してしまったのは言い過ぎでした。すみません。
Q&A-2 (10/19受け取り分)
*
レポート3 (講評)
三次元の自由粒子の状態密度e1/2
をミクロに確かめてみよう。
ei
= D・(nx2+ny2+
nz2)
について、ei
/D =
0, 1, 2,..., 20 程度の範囲で、
(nx, ny, nz)の組み合わせの
数がいくつあるか調べてグラフにし、大体e1/2の依存性を持つか見てみよ。
注意) 周期的境界条件を採用して、nx, ny,
nz = 0, ±1
, ±2
,... とせよ。
ヒント─場合の数の計算は地道にやるのが良い。
ヒストグラムを駆使すると、表集計ソフトウェアを使って一般的に計算する
ことも可能。
Q&A-1 (10/5受け取り分)* レポート2 (Q&Aを見て思いつきました。ミクロカノニカルの話です)
二準位系(e =0,1)のエントロピーS(E) = kBlog(NCE) を計算してみよう。
但し、一般式ではなく、N = 10〜20 程度について、E = 0,1,...N/2 の範囲について
計算し、グラフ(横軸E、縦軸S)を描け。
ヒント─上の準位(e =1)を占めている粒子数をM個とするとE=M に注意。
ヒント─ Excelで組み合わせ数を得る関数は、combine(N,M)次に、温度Tを、 1/T = dS/dE の定義式より求めこれもグラフにしみよう。
但し、今の場合、E は離散変数なのでそのままでは微分を計算できない。そこで、
dS/dE≒[dS(E+1)−dS(E)]/dE
のように、微分を差分で近似して求めればよい。
☆板書でミスをやらかしました。PV =
+kBT logZG です。
(言い訳ですが、途中で符号のミスを指摘され慌てました。)