* レポート3 (講評) <<<Back
EやNが非常に大きいところでは、状態密度は、確かに√e に近くなりますが、
原点付近では、かなりごつごつした関数です。
注意)講義でも注意しようと思いますが、状態を指定する(nx, ny, nz)の範囲指定
するところで出てくるD は、単に半径を表す変数で、状態密度D(e )とは無関係です。
これをごっちゃにして、おかしな式を導いている人が居ました。
注意) 念のため、√e は、あくまで、「3次元の自由電子」の場合の式です。
電子が動ける範囲が薄膜内(2次元)だったり、微細針金状(1次元)だったり
すれば、当然、結果は違ってきます。これを求めるのは非常に良い演習問題
です。それから、実際の固体内では、Bragg条件が満たされるような波数を
持った電子は散乱されてしまいますので、e ∝k2 が成り立たず、結果として、
状態密度の関数形も全く違ったものになります。
ただ、それでは、自由電子近似が全く役に立たないかというとそうではなくて、
エネルギーを波数0の周りでテイラー展開 e ∝ k2 + k4 + … してみれば、
初項は自乗ですから、エネルギーが小さい領域では、大抵は、√e に近い
ことがわかります。