2001統計力学II     Q&A-1(10/12)                    <<<戻る

注)読みやすいように文体を多少改変・統一してあります。
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Q's


A's

回答) 非常に重要な質問なのですが、、、既習ではないですか?

まず、熱力学第一法則より、体積一定(∴仕事無し)なら、dE = d'Q です。
ここで、X=kBlogWという量 (まだ何かわからない) を考えると、その変化分は、
dX = dX/dE×dE = dX/dE×d'Q
次に、統計力学的温度 t を   1/t = dX/dE  で定義すれば、
dX =
d'Q / t
となって、エントロピーの式dS = d'Q / Tと一致するので、X をエントロピーと
見なして良いだろうと考えるわけです。
なお、統計力学的温度は、全微分dX の係数ですから、熱力学の温度T
定数倍を除いて一致します。その定数がボルツマン定数kBというわけです。

*なお、状態数を用い、全く別の証明が、統計物理(丸善、川村) p.43に載っています。

*なお、S=1/2のスピンですと、S=kBlog2 となり、何やら「数学的な値log2
  がエントロピーという熱に関係した量に入っています。驚くべきことに、
   実験的にエントロピーを、比熱の測定から求めると、このlog2という数学的な
   値に実際に一致します。

磁気転移(スピンの方向が一方向に揃ってしまう。つまり、永久磁石)、
近藤効果(局在スピンと自由電子のスピンが一重項状態になって磁性を失う)
スピンギャップ(局在スピン同士が、一重項状態になって磁性を失う)

などの現象が知られており、熱心に研究されています。
詳しくは固体物理 I または II で。


 
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